近藤 朋美さん
vol.1でお話を伺うのは、2017年に初応募いただき、2018年、2019年には2年連続「心に響いた100選」に入選した三重県在住の近藤朋美さん。
彼女の写真は、なぜ写真展で多くの人の心をつかむのでしょう?彼女のあたたかい気持ちが、写真展を通じて全国に伝播した背景を伺いました。
近藤朋美さん(以下近藤さん)プロフィール:
三重県在住。子どもと自然を撮るのがライフワーク。仲間内での呼び名は「近藤フォト」
小学校の頃から写真が好きで、カメラは私にとってずっと身につけて離したくない存在でした。
中学生からはレンズ付きフィルム「写ルンです」で撮影し始め、高校生、大学生の頃も日常を撮り続けていました。当時は、ただ撮影することに夢中で、フィルム現像はせずに溜まる一方でした。
そんな私がプリントにハマったきっかけは、地元・三重県の写真店「ワタナベカメラ」との出会いです。
偶然のことからお店に通うようになり、プリントの楽しさに気づくことができました。
プリントすることによって思い出が蘇るし、何より綺麗になって手元に届きます。
「PHOTO IS 写真展」はスマホでの応募も可能ですが、私はプリントして応募する方が気持ちが伝わると感じるので、プリントにこだわっています。
被写体の主役は子ども。とくに、子どもと自然のコラボが最高だと思うんです。
桜並木やひまわり畑、いちご狩りやみかん狩りの類が、大好きです。そういうところで、子どものよい表情を撮影できたら幸せですよね。
そんな想いで撮影した大切な写真の中から、2018年はこの写真を応募しました。
祖父母の家に遊びに行くときの電車が偶然空いていたので、今だ!と思って撮りました。後ろ姿からワクワクした気持ちが伝わってくる作品。その年の「鉄道のある風景」部門に応募し、「心に響いた20選」に選んでいただきました。
また、こちらの写真は2018年に「心に響いた100選」に選んでいただいた1枚。
私には「聖地」と呼ぶロケ地があって。ただの実家近くの田んぼ道ですが、バッタやザリガニがいて、四季折々の美しさが味わえる場所なんです。
でも、じつは……私は同じ場所で撮影した別の写真の方がいいなと思っていたんですよね(笑)。
でも、ワタナベカメラさんはこちらの作品を推してくれ、両方を応募したところワタナベカメラさんの方が「100選」に選ばれました。写真選定は、自分の目線だけじゃなくて人の目線も大切なんだなと知った年です。
今年はどの写真を応募しようか、絶賛思案中です。
「PHOTO IS 写真展」は、基本的にはコンテストではなく、応募した人みんなの作品が全国の希望会場に一斉に展示される写真展です。
家に飾っているような自然体の写真を気軽に応募でき、多くの人の目に触れる機会をもらえる場。会場に行くと、たくさんの「みんなの日常」が見られるから、見る側としてもとても楽しめますよね。
フィルムやデータはもちろん、スマホの中にお宝写真が眠っている方って、きっとたくさんいらっしゃると思うんです。そういうものを掘り起こして、応募するだけでもとっても楽しい。
会場で写真展示を見てくださった方々が、「絆ポスト」で、メッセージを送ってくれる仕組みも嬉しいですしね。毎年、元気パワーもらっています。
また、「PHOTO IS 写真展」では、希望者向けに展示作品を返却してくれるので必ずお願いしています。
それは、いつか大きくなってこの家を巣立つだろう娘たちへのプレゼントにしたいから。
彼女たちが、「こんな瞬間があったんだ」と思い出すきっかけや、願わくば彼女たちの宝物になってくれたら嬉しいなと思っています。
それくらい大切な写真たちを、毎年この写真展には応募しています。私にとって、すごく大事なイベント。これからも楽しみにしています。
ライタープロフィール
伊佐知美
旅と写真と文章をこよなく愛すライター。写真を撮りながら旅をして早数年。日本一周、世界二周、47都道府県・70カ国程度を訪問済み。「PHOTO IS 写真展」の出展を通じて、日本と世界のプリント文化がさらに盛り上がるといいな、と願いながら記事を綴っています。
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